イメージ悪すぎ?イメージ良すぎ?ノンバンクの今風ルックス

消費者金融がどのようなイメージを持たれたいと思っているか、テレビなどのコマーシャルを見ればよくわかります。若く親しみやすい女性のオペレーター、可愛くユーモラスな動物たち、明るく楽しいテーマソング。しかも深夜枠ではなく、ゴールデンタイムのお茶の間に何度も繰り返し放映される。かつて消費者金融に悪いイメージがあった時代から見れば、この不釣り合いなほどの明るさは今の利用者にどの程度受け入れられているんだろうと思います。
消費者金融のコマーシャルは、「借りたいなぁ。だけど・・・」と迷っている人に対して、「誰でもできますから安心して来てくださいね」と一生懸命に訴えているように見受けられます。確かにあのようなCMを見ればお金に困ったときふと電話くらいしてみようかなという気持ちにもなるでしょう。もう既に様々な世代の人が、お財布から出し入れするような感覚でキャッシングすることが昔ほど不自然ではない時代になりつつあります。ここ数年の消費者金融の利用者は毎年1000万人を上回る勢いで、20歳以上の人口だけで見ても607人に1人が利用しているという結果が出ています。これは例えば学校の1クラス内で405人がやっていると考えてみれば、特に珍しくもないことぐらいにはなっていると言えますね。ちょうど「じゃ自分もやってみようかな?」と思う人が出始めるくらいの人数です。
借りないと利用者の生活が回らないのも事実でしょうし、それによって金融業者が回り、お金も世の中を回って行きます。利用者が法外な金利で苦しみ取り立てでギリギリまで追いつめられるなんてことがないのであれば、これは利用者・業者・世の中の3方に都合の良いシステムだと言えます。この明るいイメージのまま定着していくことは今となっては不自然ではありません。
ひとつ暗いイメージとしては、いわゆる多重債務によって追いつめられた人達が起こす事件などの陰に、「消費者金融からの借金」がキーワードとしてひっかかってくるということです。借金の利子を返すために借金を繰り返している間に何が何だかわからなくなってしまったり、ついには法外な金利のヤミ金に手を出してしまったり・・・どれも最初はイメージのよい大手金融業者から気軽に借りた、というのが第一歩だったはずです。そして次に困って借りる時もまた気楽に借りてしまった、と消費者金融のイメージが逆効果になったパターンだと言えるのです。少し前に電車の中吊り広告で、消費者金融の広告のすぐ隣に多重債務を整理します!という法律事務所の広告が貼られていて、どちらも明るいイメージなのが笑うに笑えなかったことがあります。つくづく、お金を扱う以上はイメージだけに乗っからないことが大事ですね。

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